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絶滅種『ニホンオオカミ』

ニホンオオカミの特徴を記載します。

脊椎動物亜門哺乳類綱ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ属に属する。絶滅種。体長95 - 114cm、尾長約30cm、肩高約55cm、体重推定15Kgが定説となっています(剥製より)。

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1905年(明治38年)1月23日に、奈良県東吉野村鷲家口で捕獲された若いオス(後に標本となり現存する)が確実な最後の生息情報とされます。

2003年に「1910年(明治43年)8月に福井城址にあった農業試験場(松平試農場。松平康荘参照)にて撲殺されたイヌ科動物がニホンオオカミであった」との論文が発表されましたが、この福井の個体は標本が現存していない(福井空襲により焼失。写真のみ現存。)ため、最後の例と認定するには学術的には不確実のようです。2012年4月に、1910年に群馬県高崎市でオオカミ狩猟の可能性のある雑誌記事(1910年3月20日発行狩猟雑誌『猟友』)が発見されました。

環境省レッドリストでは、「過去50年間生存の確認がなされない場合、その種は絶滅した」とされるため、ニホンオオカミは絶滅種となっています。

ニホンオオカミは他の地域のオオカミよりも小さく中型日本犬ほどですが、中型日本犬より脚は長く脚力も強かったと言われています。尾は背側に湾曲し、先が丸まっている。吻は短く、日本犬のような段ありません。耳が短いのも特徴の一つ。周囲の環境に溶け込みやすいよう、夏と冬で毛色が変化しました。

上記を踏まえて、犬とオオカミを見た目で見分けるのは至難の業だそうです。ニホンオオカミの頭蓋骨には、オオカミ特有のへこみがある。しかし確かめるのにはその獣の命をとり頭蓋骨を見て初めて確定できる。つまりニホンオオカミが絶滅しておらず、現在でも生存していたとしても、生きている獣をニホンオオカミと呼ぶことはできないそうです。
それでも動物分類学者は、尾の形態と動きで判別するのが良いとしています。

比較対象として、ニホンオオカミは、同じく絶滅種である北海道に生育していたエゾオオカミとは、別亜種であるとして区別されています。

エゾオオカミは大陸のハイイロオオカミの別亜種とされていますが、ニホンオオカミハイイロオオカミの亜種とするか別種にするかは意見が分かれており、別亜種説が多数派であるものの定説にはなっていません。

ニホンオオカミエゾオオカミの最大の違いはその身体の大きさになります。ハイイロオオカミの亜種とされるエゾオオカミは小柄なニホンオオカミとは違い、かなり大き目の大型犬ほどになります。

これが、絶滅後にエゾオオカミの目撃例があまりない理由のひとつとされています。かなり大き目の大型犬ほどだという事が、犬と誤認されない最大の理由となっているようです。対してニホンオオカミは、上記にも記載した通りで、中型日本犬ほどの大きさで、四国犬などとの誤認が大変多いようです。

1905年以降にも各地でニホンオオカミの姿を見た、遠吠えを聞いたといった事例が多数あり、現在でも生存している可能性が高いとして調査を行っている個人や団体も存在します。

紀伊半島山間部では、1970年代に捕獲された動物がニホンオオカミではないかと騒動になった事例が複数あり(ただし、それらはタヌキの幼獣や野犬、キツネを誤認したものでした)、ニホンオオカミが生存しているのではないかとの噂が絶えません。現在でも、紀伊半島山間部ではニホンオオカミの目撃証言を募るポスターがしばしば目にされます。

秩父山系でも、1996年にニホンオオカミに酷似した動物が撮影されたことがあり、ニホンオオカミ生存の噂は絶えません。

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また、九州中部の山地でも2000年に秩父と同様の事例があり、生存しているのではないかという話もあります。

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さて、ここからは、雑学として…。

ニホンオオカミとヤマイヌ

ニホンオオカミ」という呼び名は、明治になって現れたものである。

日本では古来から、ヤマイヌ(豺、山犬)、オオカミ(狼)と呼ばれるイヌ科の野生動物がいるとされていて、説話や絵画などに登場している。これらは、同じものとされることもあったが、江戸時代ごろから、別であると明記された文献も現れた。ヤマイヌは小さくオオカミは大きい、オオカミは信仰の対象となったがヤマイヌはならなかった、などの違いがあった。

このことについては、下記の通りいくつかの説がある。

ヤマイヌとオオカミは同種(同亜種)である。
ヤマイヌとオオカミは別種(別亜種)である。
ニホンオオカミはヤマイヌであり、オオカミは未記載である。
ニホンオオカミはオオカミであり、未記載である。Canis lupus hodophilaxはヤマイヌなので、ニホンオオカミではない。
ニホンオオカミはオオカミであり、Canis lupus hodophilaxは本当はオオカミだが、誤ってヤマイヌと記録された。真のヤマイヌは未記載である。
ニホンオオカミはヤマイヌであり、オオカミはニホンオオカミとイエイヌの雑種である。
ニホンオオカミはヤマイヌであり、オオカミは想像上の動物である。
シーボルトはオオカミとヤマイヌの両方を飼育していた。

現在は、ヤマイヌとオオカミは同種とする説が有力である。

なお、中国での漢字本来の意味では、豺はドール(アカオオカミ)、狼はタイリクオオカミで、混同されることはなかった。

現代では、「ヤマイヌ」は次の意味で使われることもある。

ヤマイヌが絶滅してしまうと、本来の意味が忘れ去られ、主に野犬を指す呼称として使用される様になった。
英語のwild dogの訳語として使われる。wild dogは、イエイヌ以外のイヌ亜科全般を指す(オオカミ類は除外することもある)。「ヤマネコ(wild cat)」でイエネコ以外の小型ネコ科全般を指すのと類似の語法である。

一説にはヤマイヌの他にオオカメ(オオカミの訛り)と呼ばれる痩身で長毛のタイプもいたようである。シーボルトは両方飼育していたが、オオカメとヤマイヌの頭骨はほぼ同様であり、テミンクはオオカメはヤマイヌと家犬の雑種と判断した。オオカメが亜種であった可能性も否定出来ないが今となっては不明である。


ニホンオオカミが現存するか否かは不明ですが、絶滅を免れて現在でも山中で生き続けていてほしいものですね。

生き続けていると信じて止みません、とてもロマンを感じます。