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?アフリカンシクリッド飼育とドーベルマン&ウィペットとの日常です。

ルビリン

東山動物園で飼育されていた、国内最高齢だったアムールトラのルビリンです。

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平成23年11月20日逝去


百獣の王『ライオン』と言われています。

しかしそれは、ライオンの生息域に由来するところも大きいのではと感じます。

ライオンは多数の動物達が生息する草原で暮らしています。その中において、彼らライオンは確かに最強であることに間違いはないでしょう。

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最速であるために、空気抵抗を減らさなければならず、そのために頭を小さくし顎を使っての殺傷能力を削らなければならなかったチーター。

強い顎の力を有し狩りも得意なのに、死肉をあさり徹底したヒールのイメージを漂わせるハイエナ。

闇に紛れて狩りをする豹なども、その大きさや風貌、堂々とした威厳のある強さも百獣の王と名乗るには役不足と言わざるをえないでしょう。

セレンゲティのような大草原にあってこそ、ライオンはやはり百獣の王と呼ぶに相応しい存在なのでしょう。


しかし、その生息域を地球上の全ての場所に置き換えた場合にはどうなるでしょうか。

地球上で最大の肉食獣は北極熊となります。ただ彼らは雑食性でもあり、純然たる肉食獣からは除外されても致し方ないと言えましょう。

そこで、ライオンと対抗しうるネコ科最大の肉食獣である『虎』の存在がクローズアップされるわけです。


トラの最大種はライオンよりも巨大で、風貌も威厳に満ち溢れています。しかしながら彼らトラは、その生息域が鬱蒼とした森林地帯であったり、孤高を好むその性格などから、百獣の王とはなり得なかったと言えるのでしょう。


前述した『ルビリン』は、国内最高齢だった19歳で亡くなった、東山動物園の雌のアムールトラになります。トラの19歳は人間で言えば90歳に迫る高齢になります。

ルビリンは小柄で体重は100〜120㎏、鼻先から尻尾の長さは2.8m。この小柄だったルビリンでさえもライオンよりも大きいのです。


餌は1日に馬肉3㌔と鶏肉0.5㌔。ルビリンは食べ方にムラがあり、夕方に半分、残りを夜中に食べていたそうです。野生のトラが狩りを成功させる確率は10〜20回に1回のため、胃に負担を掛けないように週に1度は絶食させていました。


デンマークの動物園で生まれ、2歳半で東山動物園へ来たルビリンは、雄のジルとの間に計7頭の子を産みました。ルビリン17歳の時点で、6頭の子と7頭の孫が国内の動物園にいました。国内にいるアムールトラの4分の1はルビリンの血を引いていました。ルビリンは、国内最高齢で子だくさんのおばあちゃんトラでした。


地球上にはスマトラトラベンガルトラなど6種類のトラがいます。しかし今、どのトラも住処を追われて激減し、動物園にしかいない種類もいます。

原因は人間が家具などを作るために森の木を伐採しているからです。その木材は日本にも届いていて、知らないうちに絶滅の手助けをしているのです。


トラの縄張りの広さは、雌1頭で名古屋市全体、雄1頭はその2〜3倍もあると言われています。これだけの広さの森を維持し、増やしていくためには並大抵の努力では不可能なことがよくわかるでしょう。


『ルビリン』

幼少の時からトラが大好きで、東山動物園へ行くと必ずトラを見に行きました。

ルビリンにも何度か会いにいきましたが、高齢のトラには見えない、とても綺麗なトラでした。

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