断耳 断尾
我が家の、三頭のドーベルマン達。
ジジとベルは断耳されていて、断尾は三頭ともにされています。
因みに、ジジとベルは狼爪の除去手術もされていました。
我が家のドベ達は、元飼い主の飼育放棄からの保護犬達なので、我が家に迎えた時点で、既に断耳・断尾がされていました。
うちのドベ達を連れている時に、よく質問されたことがあります。
今では、ドベはステラだけなので…「ドーベルマン?ですか?」と聞かれるようになりました。如何に、断耳されているドベが人々に認知されているかということなのでしょう。
「なぜ、こちらの二頭とこの子とでは耳の形が違うんですか?」
「どれぐらいの割合で、立ち耳の子と垂れ耳の子が生まれてくるのですか?」
このことは、ドーベルマンが断耳されていることを知らない方達が、如何に沢山いらっしゃるかということなのでしょう。
〈左から、デン、黒ラブ、ジジ〉
断耳・断尾を施術する犬種は、何もドーベルマンだけではなく、その犬種が作出固定された当時からグレート・デンやボクサー、コーギーやシュナウザーなども断耳や断尾を施術されてきました。
作出されたその当時には、それぞれの犬種により断耳や断尾にはちゃんとした理由がありました。
ドーベルマンの場合には、対人ガードドッグとして、容姿を精悍にし近寄り難くするために断耳や断尾を施しました。また、不審者や侵入者と対峙した時、犬の弱点である耳や尾を持たれないようにするという意味合いなどがありました。
作出された当時には必要とされていた断耳や断尾でしたが、世界的にみても本来の目的ではなく愛玩目的で犬を飼育される方が増加してきました。
また、動物愛護の観点から見ても断耳や断尾を施さず生まれたままの姿で犬を飼育するようにもなってきています。
そうした理由から、特に欧州などでは断耳や断尾を禁止する国も増えています。英国では、他国で断耳や断尾を施した犬の入国も規制しています。
犬の後進国である日本では、世界的なそうした流れなどが認識されていないため、断耳や断尾をすることすら知らない方達が沢山いらっしゃるということなのでしょう。
犬種図鑑などで目にする姿が本来の姿だと思い込み、断耳・断尾を施術されていない犬に違和感を感じてしまうのでしょう。
また、断耳・断尾を施術されていなければ、図鑑などに掲載されている姿ではないために、売れなくなってしまうということも、そうしたことの一因となっているのかもしれません。
断耳は耳に神経が通ってから施術されるため、ブリーダーなどで「耳は切らないでください」と買い手側が拒否すれば対処してくれるでしょう。
しかし断尾の場合には、生まれて直ぐに施術されるために、断尾されていない犬を求めるには、犬が産まれる前にその代金の全額を支払い「尾は切らずにそのままで」と交渉するしかないでしょう。
ただその場合には、万が一産まれてきた犬に先天的疾患等が認められたとしても、代替えなどの措置は難しくなるでしょう。リスクは全て買い手側が負う覚悟が必要となるでしょう。
現在では、日本でも断耳・断尾を施術しない犬が多くなってきているため、断耳・断尾を施術したことのない獣医師さんも増えているようです。
そうした獣医師さんでは、断耳・断尾の施術を断られる場合もあるようです。
愛玩目的での飼育ならば、犬に苦痛を与える断耳・断尾をする必要はないと考えます。