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🦄アフリカンシクリッド飼育とドーベルマン&ウィペットとの日常です。

塚平貞俊氏ガーパイク

メキシコでは、野生動植物の輸出を厳しく制限している。

したがって、日本でメキシコ産のワイルド個体を見る機会は実はあまり多くはありません。

メキシコの研究所でガーパイクやシクリッドなどさまざまな魚の保護や繁殖の研究を続けられているのが塚平貞俊氏その人になります。

メキシコ政府はそんな塚平氏の功績を認めて、日本人で唯一メキシコの野生動植物の輸出を彼に認めました。

塚平氏は長野県出身で、トロピカルジャイアントガーとチャパシウスガー、アリゲーターガーを日本で初めて輸入した人になります。

塚平氏は元々ペットの養殖業を営んでおり、日本のみならずらメキシコにも亀やガー等の水棲動物の養殖場を営んでおります。

塚平氏がメキシコから輸入した魚には、塚平氏のサインの入った証明証が必ず付きます。

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こうした塚平氏の証明証付きのガーは『塚平ガー』として、特に古代魚大型魚を飼育されているアクアリストには広く周知されています。

ガーは現地では食用とされています。

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こうした丸焼きのガーパイクを売る光景は、現地ならではのものです。

しかし、メキシコでのガーの生息数はかなり減ってきています。原因はいくつか考えられますが、大きな要因としては水質汚染と生態系が崩れてきていることがあげられる。メキシコでも都市の発達に伴い、水質の悪化などはかなり進んでいる。ガーパイクは水面に顔を出し、空気を吸う習性があり、この時に水面付近を漂う油や有毒物質でエラを傷めてしまうという。

また、メキシコの河川には食用にティラピアが移植され、非常にその数が増えている。このティラピアが孵化したばかりのガーの稚魚を食べてしまう。

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塚平氏によれば「トロピカルジャイアントガーやメキシコアリゲーターガーは遡ってくる川を堰き止め、限りなく自然な状態で産卵させ、その稚魚が15cmほどに育ったところで採集しています。ガーは一度に2万個ほどの卵を葦などの根元に産み付けます。卵には毒があるため、他の魚に食べられてしまうことはないのですが、孵化すると次々にティラピアなどに食べられてしまいます。共食いもするので、決して多くの魚が育ち上がるわけではないのです。時期的には雨季になる7〜9月くらいですね。ですから日本に送られるのはこの時期の後ということになります。」

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上、メキシコアリゲーターガー、下、チャパシウスガー。

塚平氏がメキシコに初めて渡ったのは今から40年ほど前に遡る。当時、メキシコ国立大学で植物学の研究をされていた塚平氏はジャングルでのフィールドワークでガーパイクに出会ったという。その後現地で一緒に研究をしていた人々と動植物の保護と繁殖を目的とする研究施設を設立。繁殖技術をメキシコ政府に提供するかたわら、捕獲した魚の他、繁殖した魚や亀のうちの1/3程度を運営資金の獲得のため輸出している。ただ、この輸出もメキシコでは原則的に動植物の輸出を禁じているため、なかなか許可が下りず、許可されたのは今から25年前のことになります。ちなみにメキシコから魚を輸出することが許されているのは塚平氏だけです。

とにかくメキシコの規制は非常に厳しく、密輸が見つかると、例え亀1匹でも日本円で約600万の罰金と半年ほどの懲役(現在は不明ですが、10年前にははこうした厳しい罰則がありました。)が科せられました。メキシコ産の魚が少ないのはこうした現状があるからなのです。

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よくガーは低水温にも強いといわれるが、一番北に棲むメキシコアリゲーターガーでも水温が18°Cに下がると動きが鈍くなり、16°Cではまったく動かなくなる。このアリゲーターガーよりも南に棲むトロピカルジャイアントガーなどは更に高い水温に生息しているわけであり、例えば日本の冬のような水温では、北米のガーはともかく、メキシコに棲むガーが冬を越すことは難しいのではないかと考えられます。

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ガーを大きく育てようとする場合、問題となるのは運動量だと思われます。いかに活発に泳ぎ回るかが鍵で、そのためにはなるべく大きな水槽に大量の餌となる魚と一緒に泳がせるのが一番だと思います。とにかく小さい時からしっかりと食べさせておかないと、ある程度の大きさまで育っても、そこからが成長しなくなるようです。トロピカルジャイアントガーの場合、現地では生まれて3ヶ月で25cmくらいに成長します。水槽で飼育していても60cmくらいまでにはすぐに成長するはずです。しかし、そこからがなかなか難しいようです。トロピカルやチャパシウスはアリゲーターと比べるとやや神経質な面を見せます。怯えて食が細くなると成長は止まってしまいます。うまく環境に慣らして、そして20〜30cmくらいのサイズの時に餌を切らさないということが重要になります。

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塚平氏の尽力により、メキシコ産のガーパイクは日本へと輸入されるようになりました。しかし、そうした塚平氏の努力を知らぬ一部の心無い人間によりガーパイクは特定外来生物として規制されようとしています。

ワイルドのガーパイクは現地での数が減ってきてしまっていますし、そのことを除いても古代の形質を今に伝える非常に貴重な魚です。

塚平氏は、人々に幸せや夢を与えるためにガーパイクを日本へと輸入しました。

そうした塚平氏の熱い想いも知らず、やがて大きな水槽が必要となることも知らぬ心無い人々の手で密放流されたガーが日本各地で発見され、社会問題化してしまっています。こうした現在の状況に、塚平氏はとても胸を痛めていることでしょう。

日本国内で、この貴重な古代魚であるガーパイクが見られなくなることを非常に悲しく感じています。