経緯
アフリカ東部には、大地溝帯と呼ばれる南北に縦貫する壮麗な断層陥没帯が6000㌔以上にわたって形成されています。
そして、このアフリカ大陸を東西に引き裂く活動は、年間およそ5㎜ものスピードで現在も続いているといわれます。
このような大規模な地溝帯は、他の大陸では見られません。
大地溝帯は、かつて同じ大陸であったアラビア半島をアフリカ大陸から引き裂き、これによって紅海やアデン湾が形成されました。
最近では1億年前のもう一つの西・中央アフリカ大地溝帯の全貌が明らかになってきており、この古い大地溝帯はかつて同大陸であったアフリカ大陸と南米大陸とを引き裂いたものと考えられている。このようなアフリカの大地溝帯には、地殻が変化する様々な地球科学的現象が見出されています。
東アフリカには、大地溝帯のほかにもう一つ大きな特徴がある。それは、標高の高さ。
アフリカ大陸の平均海抜750mに対し、東アフリカの平均海抜は1500m以上あり、アフリカ大陸の中では最も海抜の高い隆起帯なのです。
大地溝帯の中央部には大きな盆地が形成され、ここに浅くて広いヴィクトリア湖ができた。そして、ヴィクトリア湖を取り囲むように東西に大きく食い違って雁行する二列の地溝帯となり、西部地溝帯にはアルバート湖やエドワード湖、そしてキブ湖、タンガニィカ湖、マラウィ湖などが形成されました。
タンガニィカ湖は地溝帯に支配されて細長く伸び、湖深としては世界第2位の約1450m。マラウィ湖の湖深は世界第3位の約704mです。
このような大地溝帯の湖沼群には湖産と呼ばれる多くのシクリッドが生息し、中でもタンガニィカ湖やマラウィ、ヴィクトリア湖の3大湖では個々の湖に固有の歴史があり、それぞれ特有の形状や色彩、生態を持つ様々な固有種が、種文化してきました。
多産するアルカリ火山岩により水質はアルカリ性の硬水を示します。湖産のアフリカンシクリッドは、このように特異な環境域に生息し、種類も豊富なのです。
そんな、アフリカ大地溝帯の湖で独特の進化を遂げてきた湖産のシクリッド達が大好きで、現在に至っています。
中学の頃、初めての熱帯魚として定番のグッピー飼育を、そしていろいろな小型美魚を飼育してきましたが…そうした、水草水景の繊細な魚達の飼育は自分には向いていないと感じアクアリウムから何度か遠ざかりました。
それから何年か後に、大型魚・古代魚の飼育を始め、アジアアロワナやガーパイクの魅力にもどっぷりと浸かりました。
ラテスの仲間やポリプ、アイスポット。
カラパリやレッドテール、パールンといった大型ナマズにも手を出しました。
そうした中で、大型魚や古代魚達には1800×600×600程度の水槽では飼育と呼べるレベルではないことを思いしらされました。
熱帯魚飼育は奥がとても深く…大型魚・古代魚がいなくなってからの数年間は、店舗内の小さな水槽のピラニアと2階で飼育していたフロントーサ3匹のみを細々と飼育するのみでした。
そのピラニアが、14年間の天寿を全うし生涯を閉じたのが昨年の8月のことでした。
90㎝スリムの小さな水槽と言えど、一様店舗内のインテリアだった水槽を無くすわけにもいかないと、新たな熱帯魚の導入を検討しました。
しかし、小型美魚や水草水槽を管理する能力など自分にはありません。ましてや海水魚などは絶対に無理…
店舗内のインテリアにもなり、カラフルで、ある程度の存在感のある魚は?と考えた時に、アフリカンしかない!との結論を出しショップへと出向きました。
でも、ショップにアフリカンがほとんどいません。
性格の荒さでの混泳の難しさ、アルカリ性の水質でアフリカン以外の魚との混泳が出来ない点、そこそこ長生きでリセールバリューが悪い点、中途半端に大きくなる種類が多く混泳を考えた場合には結構大きな水槽が必要になってくることなどが不人気となってしまった理由なのでしょう。
それでも、いろいろなショップで少しずつアフリカンを増やしていきました。
そして、現在の1200の導入でした。
しかし、PH異常で3匹のフロン、トレトケ、イエローピーコック、ブリチャージ、ニエレレイなどを落としてしまい少々ナーバスに…
それでも他魚の飼育は無理と、もう一度アフリカン水槽を立て直し現在に至りました。
再びアフリカンを増やしていき、意中の魚をショップで取り寄せて貰ったことも何度かあります。
クーへ、ティラノ、Bロデ、Cロデなどは、今ではショップで見なくなってしまいました。
昔は普通に購入できた、ベネやリビ、VC-10ですらいません。
いるのは、Lカエルやゴールデンゼブラなどのムブナかアーリー。
それでも、いれば良いほうで…そもそもアフリカンをやめてしまったショップもあります。
アフリカン愛好家には厳しい現状ですが、皆が手を出さない、とても貴重な魚達を飼育しているのだと考えれば良いかなと思っています。
愛魚のアフリカン達、ちょっとだけ自慢でもあるかな。
最後にニロチカス、特定外来生物に指定されることが濃厚のようです。
その場合には法律に従い、以前我が家で飼育していて、ニロチカスと同じように特定外来生物に指定されてしまった中国ケツ魚と同様、書類を揃えて飼育許可申請をします。
如何なる生物であっても、飼育している生物の生涯に責任を持ち、その存在を守るのは、飼い主の務めだと強く感じています。