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?アフリカンシクリッド飼育とドーベルマン&ウィペットとの日常です。

Tilapia

ナイル・ティラピア

Oreochromis niloticus

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形態・特徴

飼育個体は最大で80cm以上、3kg以上に成長することが知られている。体は側扁し、体側には明瞭な横帯が見られるが、環状になっていることもある。産卵期の雄は、婚姻色を呈することが知られており、体側の横帯が消えて背鰭と尾鰭の縁辺が赤身を帯びる。


分布

南日本。外来種。原産地はアフリカ大陸西部、ナイル系、イスラエルであるが、世界中に広く導入されている。本種には7つの亜種があるとされるが、日本で繁殖しているものが、どの亜種になるのかは、いまのところ不明である。


生息環境

カワスズメと同様に、水温や塩分の変化に強く、適性水温は24〜30°Cとされるが、生存が可能なのは10〜40°Cとなっている。水温10°C以下には耐えられないようである。暖流域を好むため、河川下流域および汽水域や湖沼に多いが、河川中流域の淵やワンドのような環境でも見られる。


食性

主食は付着藻類であるが、デトリタスや小型甲殻類や昆虫類も捕食する雑食性。


その他

産まれた仔稚魚は雌親による口内保育が行われる。そのため仔稚魚は、周囲に外敵がいないときは雌親の周囲を群れて泳ぐが、危険を感じると一斉に雌親の口腔内へ逃げ込む。

また、婚姻色を呈した産卵期の雄は縄張りを持つことが知られ、縄張りに侵入するものに対しては同種・他種を問わずに攻撃を仕掛ける。

これらの産卵生態や塩分・水温耐性に加えて、大型になるため、本種は原産地以外に導入された場合に、しばしば生態系への悪影響を引き起こすことが知られている。そのため、本種は2004年6月に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」による要注意外来生物に指定されている。

日本へ最初に持ち込まれたのは、1962年にエジプトのアレクサンドリア水族館から寄贈されたとされる。このほか、食用として盛んに養殖されたこともあり、カワスズメと同様に、以前は「チカダイ」や「イズミダイ」と称して、マダイの代用品として利用することもあったという。しかし、現在は下火となっているようである。

日本以外では、本種は亜熱帯・熱帯地域において、食用での需要が高く、養殖が盛んに行われている水産上重要種でもある。


カワスズメ(モザンビーク・ティラピア)

Oreochromis mossambicus

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形態・特徴

全長40cm程度にまで成長し、雌は10cm程度で産卵能力を有するようになる。体は側扁し、体側には不明瞭な横帯が見られることもあるが、ナイルティラピアに見られるほど明瞭な横帯は見られない。また、尾鰭も、ナイルティラピアに見られるような明瞭な横帯は見られない。産卵期の雄は、婚姻色を呈することが知られており、頭部腹面が白っぽく、それ以外は黒っぽくなる。また、背鰭と尾鰭の縁辺が赤味を帯びる。


分布

南日本の各地や、温泉や温排水の流れ込む水域(北海道からも記録されている)。特に、沖縄、鹿児島県指宿、小笠原などで自然繁殖している。外来種で、1954年7月にタイから導入された。原産地はアフリカ大陸東南部だが、世界中の熱帯・亜熱帯域に広く導入されている。


生息環境

水温や塩分の変化に強く、水温は17〜35°Cの範囲で、塩分は海水の2倍でも普通に生活できる。水温15°C以下には耐えられないようである。暖流域を好むため、河川下流域および汽水域や湖沼に多いが、河川中流域の淵やワンドのような環境でも見られる。


食性

主食は付着藻類であるが、デトリタスや小型甲殻類や昆虫類も捕食する雑食性。


その他

産まれた仔稚魚は雌親による口内保育が行われる。そのため仔稚魚は、周囲に外敵がいないときは雌親の周囲を群れて泳ぐが、危険を感じると一斉に雌親の口腔内へ逃げ込む。

また、婚姻色を呈した産卵期の雄は縄張りを持つことが知られ、縄張りに侵入するものに対しては同種・他種を問わずに攻撃を仕掛ける。

これらの産卵生態や塩分・水温耐性に加えて、大型になるため、本種は原産地以外に導入された場合に、しばしば生態系への悪影響を引き起こすことが知られている。そのため、本種はIUCNによる「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されている。

日本には、1954年7月にタイから、その翌年には台湾から輸入されたものが最初の導入記録となっている。日本でも、本種による在来生態系への悪影響が懸念されており、日本生態学会による「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されているほか、2004年6月に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」による要注意外来生物にも近縁のナイルティラピアと共に指定されている。

一方、本種は亜熱帯・熱帯地域において、食用での需要が高く、養殖が盛んに行われている水産上重要種でもある。日本でも、以前は「チカダイ」と称して、マダイの代用品として利用するということもあったという。


ジル・ティラピア

Tilapia zillii

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形態・特徴

体型はカワスズメやナイルティラピアに似ているが、本種の臀鰭軟条数は7〜9本と少ないため区別できる(対するカワスズメは9〜12本、ナイルティラピアは10〜11本)。また、胸部周辺は赤く、背鰭の後方に黒色班が1個あることが本種の特徴である。

体長30cm以上。


分布

滋賀県鹿児島県沖縄県に導入されている。原産地はアフリカの赤道以北。パレスチナ


生息環境

カワスズメやナイルティラピアほど、水温や塩分の変化には強くない。暖流域を好み、河川下流域や湖沼に生息するが、河川中流域の淵やワンドのような環境でも見られる。


食性

主食は付着藻類であるが、デトリタスや小型甲殻類や昆虫類も捕食する雑食性。


その他

カワスズメやナイルティラピアのように、仔稚魚の口内保育は行わない。国内の水域で、安定した再生産が可能と考えられているのは湖沼のみである。

1962年にエジプトのアレクサンドリア水族館から寄贈されたのが、日本への最初に持ち込まれた記録となっている。


ティラピア・ブティコフェリィ

Tilapia buttikoferi

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形態・特徴

体地色は黄灰色で、7〜8本の茶黒色幅広斜帯。これらの間と腹面は明色。1番目は眼の位置で、最後は尾鰭花柄。胸鰭は透明、他の鰭は茶黒色。腹鰭は、前方が明色。幼魚は顎に暗色領域を持ち、縦帯は成魚に比べ少ないが、体側から背鰭にまで続く。

体長30cm程度。


分布

アフリカ:沿岸河川の下流域。シエラレオネ、ギニア-ビサオ(ジェバ川、コルバル川)〜西リベリア(セントジョン川)


食性

動物食性。


その他

水温条件が満たされれば周年繁殖する。固形物に卵を産み雌雄で保護する。

観賞用、食用として広く移入されている。